医療機関の非破壊検査、工場の溶接部検査など、業務でエックス線装置を使う作業場には「エックス線作業主任者」の選任が労働安全衛生法で義務づけられている。公益財団法人安全衛生技術試験協会(以下、協会)が実施する国家免許試験に合格すると取得できる。
受験資格は不要、学科試験1本勝負
受験資格に学歴・実務経験の制限は無く、誰でも受験できる(本人確認証明書の添付は必須)。試験は実技が無く、学科試験1本で合否が決まる。
| 科目 |
出題数・配点 |
| エックス線の管理に関する知識 |
10問・30点 |
| 関係法令 |
10問・20点 |
| エックス線の測定に関する知識 |
10問・25点 |
| エックス線の生体に与える影響に関する知識 |
10問・25点 |
合計40問・試験時間4時間(12:30〜16:30)。合格基準は「各科目の得点40%以上かつ合計60%以上」で、1科目でも基準を割ると不合格になる。
科目免除制度
放射線関連の他資格をすでに持っている場合、一部科目が免除される。
| 保有資格 |
免除科目 |
試験時間 |
| 第二種放射線取扱主任者 |
測定・生体影響の2科目 |
2時間 |
| ガンマ線透過写真撮影作業主任者 |
生体影響の1科目 |
3時間 |
放射線関連の実務経験がある人は、この免除を使うことで対策範囲を絞り込める。
受験料と申込期間
学科試験のみで8,800円(税込)。協会の手数料ページには「消費税法により全て非課税、インボイス適格請求書発行事業者の登録が無いためインボイスは発行できない」と明記されている。
申込はオンラインで、協会の運用では「試験日の2か月前から14日前まで」が受付期間になる。
2026年9月時点の試験日程
協会の日程表(2026年9月確認)によれば、令和8年4月〜令和9年3月は次のとおり実施され、センターによって開催日が異なる。
- 関東(市原)・関東(東京試験場)の各センター: 5月19日・7月8日・9月15日・11月20日・翌1月19日・3月3日
- 北海道・中部の各センター: 5月19日・7月8日・9月15日・11月20日・翌3月3日
- 東北センター: 5月19日・7月8日・翌1月19日・3月3日
- 中国四国センター: 7月8日・9月15日・11月20日・翌1月19日・3月3日
- 九州センター: 5月19日・9月15日・11月20日・翌1月19日
- 近畿センター(大阪試験場): 5月19日・7月8日・9月15日・11月20日・翌1月19日
- 近畿センター(本体): 翌3月3日のみ
本記事確認時点(2026年9月19日)の直近回は2026年11月20日(多くのセンターで実施)。受付期間は試験日の2か月前にあたる2026年9月20日から、14日前の11月6日まで——本記事確認日の翌日から受付が始まる、まさにこれから申し込む人に向いたタイミングだ。
実際に合格した人の学習法
個人ブログ「脱線おじさんの独学記」の著者は、関連資格の知識があったこともあり「1日平均3時間×14日」の学習で合格したという。使用した教材は「エックス線作業主任者合格教本」(技術評論社)と「エックス線作業主任者試験合格問題集」(オーム社)で、参考書を2周読んでから問題集を3周解き、苦手科目を復習するという手順を踏んだ。自己採点は「90%(36/40問)で合格」、著者いわく「計算問題ができるかできないかが合否の分かれ目」で、「過去問をやってるだけで合格できてしまう」試験である一方、確実な合格のために計算問題を捨てずに正攻法で対策することを勧めている。第三者の資格情報サイトを横断すると合格率は50%前後・難易度は「普通〜やや易しい」とされることが多く、1問あたりの配点が高いため1つのケアレスミスが響きやすい試験だという指摘もある。一般的には1〜2か月・約60時間の学習が目安とされる。
選任後の役割
エックス線作業主任者に選任されると、エックス線装置の使用方法の検討、作業環境測定の実施、放射線障害防止のための措置の徹底など、作業場の放射線管理を統括する立場になる。医療機関の放射線科だけでなく、非破壊検査を行う製造業・建設業の現場でも必要とされる資格だ。
同じ協会が実施する他の免許試験
エックス線作業主任者は移動式クレーン運転士やボイラー整備士と同じ安全衛生技術試験協会が実施する免許試験だが、対象業務は放射線管理という全く別分野になる。いずれも受験資格が不要で学科中心という共通点はあるが、免許同士に上下関係や相互の代替関係は無い。
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