整理収納アドバイザーを受けようと思ったら
「片づけが苦手」「何度収納を整えても散らかる」——その悩みを持つ人は少なくない。整理収納アドバイザーは、こうした整理・収納の問題を体系的に解決するアドバイザーを認定する民間資格です。一般社団法人ハウスキーピング協会が2003年に創設し、現在は日本を代表する片づけ系資格のひとつに成長しました。
「断捨離」「こんまり(KonMari)」といった片づけブームの追い風もあり、整理収納アドバイザーの知名度は一般層にも広がっています。個人宅から企業のオフィス整理まで活用範囲は広く、整理収納を専門サービスとして独立開業する方も増えています。
資格は2級・1級の2段階構成です。2級は主に講座受講と確認テストで取得でき、1級は別途試験が必要になります。受験資格は2級が制限なし、1級1次は2級取得後、1級2次は1次合格後です。
知っておきたい試験のルール
2級:研修受講型
2級は「試験」ではなく「研修受講型」の資格です。1日講座(対面またはオンライン)を受講し、確認テストで100点中70点以上を取得するだけで認定されます。受講料は27,500円前後(税込)。
講座では整理の考え方・収納の基本・実践的な片づけの進め方を学びます。確認テストは講座内容が理解できていれば十分にクリアできます。
1級1次試験:筆記
| 項目 |
内容 |
| 出題形式 |
マークシート(60分)またはCBT(60分) |
| 合格基準 |
100点満点中70点以上 |
| 受験料 |
14,300円(税込)/ CBT:18,700円(税込) |
1級テキスト・2級テキストの両方から出題されます。用語の微妙な違いを問う「引っかけ問題」が含まれるため、テキストの隅々まで理解することが重要です。
1級2次試験:実践審査
| 項目 |
内容 |
| 形式 |
面談+ファシリテイト体験報告書の提出 |
| 受験料 |
23,100円(税込)※2025年9月1日申込より改定 |
| 合格基準 |
面談・体験報告書の総合評価 |
実際に整理収納のサポートを行い、体験報告書にまとめて提出します。アドバイザーとして顧客と関わる実践力が審査されます。
独学 vs スクール — 学習スタイルの選び方
| 段階 |
期間の目安 |
ポイント |
| 2級 |
1日(講座受講のみ) |
講座内容を理解すれば確認テストはほぼ通過可能 |
| 1級1次 |
2〜4週間(テキスト精読) |
引っかけ問題に注意。テキストの細部まで読む |
| 1級2次 |
3〜6ヶ月(実践経験を積みながら) |
実際に整理収納サポートを行って体験報告書を準備 |
1級2次に向けては、実際にサポートを経験することが必須です。身近な人(家族・友人)の家の整理を手伝いながら記録をつけると、自然と体験報告書の内容が充実していきます。
独学(テキスト+自主学習)でも1次試験は対応できますが、添削サポートや仲間との実践練習があるスクールや通信講座を利用すると、2次試験の準備が格段にスムーズになります。
おすすめ教材:
- 「整理収納アドバイザー2級認定テキスト」(ハウスキーピング協会)— 2級講座の教材。整理の考え方・収納の基本が体系的にまとまっている
- 「整理収納アドバイザー1級テキスト」(ハウスキーピング協会)— 1次試験の出題元。これを繰り返し読み込むのが最短ルート
- ユーキャン 整理収納アドバイザー講座 — 2級・準1級をまとめて取得できる通信講座。費用と学習ペースのバランスが取りやすい
つまずきポイントと対策
| 試験 |
合格率 |
注意点 |
| 2級(確認テスト) |
約90%以上 |
講座内容を理解していればほぼ確実に合格 |
| 1級1次試験 |
約70〜80% |
引っかけ問題に注意。テキストの細部の理解が必要 |
| 1級2次試験 |
約80〜90% |
実践経験と体験報告書の質が重視される |
「整理収納アドバイザーはハードルが低い」と言われることもありますが、1級取得となると体系的な学習と実践経験の両方が必要です。
特につまずきやすいのが1次試験の「引っかけ問題」。「整理」と「収納」の定義の違い、「整頓」と「収納」の違いなど、一見似た用語の正確な区別が問われます。テキストを「なんとなく読む」のではなく、用語の定義を一つひとつ確認しながら読む姿勢が重要です。
2次試験では「体験報告書の質」が合否を分けます。「やりました」の記録ではなく、「クライアントの課題を分析し、どんな提案をし、どう変わったか」というプロセスとアウトカムの記述が求められます。
資格を活かす具体的なシーン
| 活用場面 |
具体的な使い方 |
| 整理収納コンサルタントとして独立 |
個人宅・企業オフィスの整理収納サポートをビジネスに |
| ハウスキーピング・家事代行業 |
掃除・片づけに加えて収納提案ができる付加価値を提供 |
| 不動産・住宅メーカー |
モデルルームの収納提案や入居後のサポートに活用 |
| 引越し業・リフォーム会社 |
「整理から始める」サービスの質向上に |
| 個人の生活改善 |
自宅の片づけを体系的に進め、快適な空間を自分で作る |
関連資格:
- ライフオーガナイザー(日本ライフオーガナイザー協会): 収納関連の代表的な関連資格。「思考の整理」から始めるアプローチが特徴
- 福祉住環境コーディネーター: 高齢者向け住環境整備の資格。整理収納と親和性が高い
- インテリアコーディネーター: 住空間全体のデザイン提案資格
- 収納検定(日本収納検定協会): 住宅収納の設計・計画に特化した別系統の資格