合格だけでは外務員として働けない
外務員資格試験は、金融商品取引法などの法令・規則、金融商品、証券市場の知識を確認する試験です。日本証券業協会は、証券業務に従事するには試験合格に加え、外務員として登録を受ける必要があると案内しています。
一般の人も年齢・学歴・実務経験の制限なく受験できます。一方、試験に合格した個人が自分で外務員登録を完了させる制度ではありません。証券会社や銀行等へ就職した後、所属会社を通じて登録を受けて初めて、外務員として営業活動ができます。
したがって、この記事で最初に分けるべきなのは次の2点です。
- 知識を学び、資格試験に合格すること: 一般の人も可能
- 金融機関で外務員として業務をすること: 就職後の登録が必要
「合格すれば直ちに金融商品の勧誘・販売ができる」という説明は誤りです。
一種と二種は、下位級・上位級の関係ではない
二種に合格していなくても、一種を直接受験できます。日本証券業協会のFAQも、この点を明示しています。選択は、目指す業務範囲と学びたい範囲で決めます。
| 区分 |
主な違い |
| 二種 |
現物の株式・債券・投資信託等を中心に、基礎的知識を問う。信用取引・デリバティブも基礎知識は出題対象 |
| 一種 |
二種の対象に加え、デリバティブ取引を含む実務的・専門的知識を問う |
「全員が一種から受ける方が効率的」とは一律に決められません。勤務先が指定する区分がある場合は人事部等の指示を優先し、一般受験なら公式の出題範囲を見て選ぶのが安全です。
2026年の受験料と試験構造
一般受験はプロメトリックのCBT会場で通年実施され、土日・祝日・年末年始休業を除く日程から予約します。試験日の60日前から5営業日前まで予約できます。
| 項目 |
一種 |
二種 |
| 受験料(税込) |
12,169円 |
12,169円 |
| 問題数 |
100問(○×70、五肢選択30) |
70問(○×50、五肢選択20) |
| 試験時間 |
160分 |
120分 |
| 満点 |
440点 |
300点 |
| 合格基準 |
308点以上(70%) |
210点以上(70%) |
以前の記事にあった旧受験料、二種の問題構成、満点はいずれも現行公式と一致しません。2025年3月3日以降の一般受験料は12,169円です。
支払い方法はクレジットカード、コンビニ、Pay-easy。申込後の試験キャンセル、受験料返金、試験科目や受験者の変更はできません。試験日の変更は支払い完了後、5営業日前まで可能です。当日は受付時間と本人確認書類の条件も確認してください。
2025年度の合格率は一種73.1%、二種68.1%
日本証券業協会が公表する一般受験者の2025年度実績は次のとおりです。
| 区分 |
受験者 |
合格者 |
合格率 |
| 一種 |
7,408人 |
5,418人 |
73.1% |
| 二種 |
3,753人 |
2,557人 |
68.1% |
2024年度も一種73.0%、二種64.5%で、一種の合格率が二種より高く出ています。これは一種の方が簡単という意味ではありません。受験者の所属、学習歴、会社の研修など母集団が異なるため、区分間の合格率だけで難易度を順位付けできません。
公式は学習時間の目安を公表していません。以前の記事にあった「一種100〜200時間、二種40〜80時間」は一律の公式値ではないため、メタ情報から外しました。自分の学習計画は、まず出題範囲ごとに問題演習をして不足分野を確認してから組む方が、根拠のない時間目安より確実です。
勉強は「最新法令」と計算問題を分けて進める
出題科目は法令・諸規則、株式、債券、投資信託、証券市場、会社法、経済・金融・財政、財務諸表、証券税制、セールス業務です。一種だけデリバティブ取引が独立した出題科目として加わります。
日本証券業協会は、問題を直近の法令・諸規則に基づいて出題すると明記しています。古い教材だけで完結させず、現行の外務員必携の目次と正誤・改訂状況を確認してください。
学習は次の3群に分けると、抜けを見つけやすくなります。
- 法令・諸規則: 禁止行為、勧誘・販売、協会・取引所規則を整理する
- 商品業務: 株式、債券、投資信託、一種ではデリバティブを分ける
- 計算・関連科目: 利回り、損益、財務諸表、税制を問題形式で確認する
本番は○×と五肢選択のPC入力です。プロメトリックのCBT体験版で、見直しや画面操作も事前に確認できます。試験終了時には正解率が表示され、一般受験者にはメールでも受験結果通知が届きます。
申込みの入口
2025年11月に廃止された金融商品取引業基礎試験の合格者で、一種・二種を持たない人には、2026年中の一般受験で3,000円を返還する経過措置があります。対象者だけが申請できる制度で、全受験者の割引ではありません。
出典と確認日
以下を2026年9月2日に確認しました。