合格・登録と、案内業務のルールは別です
全国通訳案内士試験は、訪日旅行の案内に必要な知識と能力を判定する国家試験です。試験は日本政府観光局(JNTO)が観光庁の代行機関として実施します。筆記・口述に合格した後、都道府県知事への登録が必要です。国内在住者は居住地の都道府県で登録します。国外在住者は日本国内の代理人を定め、代理人の住所地で申請します。登録期限はありません。国外在住者の代理人要件を含む詳細は2026年度施行要領「合格後の手続き」で確認してください。JNTOの資格概要・観光庁の登録案内
2018年の法改正で、通訳ガイド業務の独占はなくなりました。資格がなくても報酬を得て通訳案内を行えますが、「全国通訳案内士」や類似する名称は登録者だけが使えます。試験は有償ガイド業の必須許可を取るものではなく、試験・登録を経た人が名称を名乗るための制度です。観光庁「改正通訳案内士法の概要」
2026年度は出願が終了し、口述試験を控えます
受験資格に年齢・性別・学歴・国籍の制限はありません。外国語は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10言語です。2026年度施行要領
2026年度の願書受付は6月1日から7月9日までで、筆記試験は8月16日に実施されました。JNTOは9月25日を筆記結果通知日とし、個別結果はマイページで確認する案内です。口述試験は11月29日、最終合格発表は2027年1月22日予定です。2026年度の出願は終了しており、JNTOの2026年度案内には2027年度の日程はまだ記載されていません。JNTOの2026年度日程
筆記は5科目、科目ごとに基準点を超えます
2026年度の筆記は全科目マークシート方式です。英語などの外国語だけでなく、日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務がそれぞれ別に判定されます。
| 科目(時間) |
満点/原則の合格基準点 |
| 外国語(10言語から選択・90分) |
100点/70点 |
| 日本地理(30分) |
100点/70点 |
| 日本歴史(30分) |
100点/70点 |
| 一般常識(20分) |
50点/30点 |
| 通訳案内の実務(20分) |
50点/30点 |
全科目の合計点で決まる試験ではありません。観光庁のガイドラインは、各科目に合格基準点を置き、必要に応じて得点分布を見て基準を調整するとしています。口述は約10分で、選択した外国語による通訳案内の実践力を評価し、原則7割が基準です。2026年度試験ガイドライン
口述では、試験委員が読む日本語を外国語に訳して対応を話し合う課題と、3つのテーマから1つを選んで外国語で説明し、質疑応答する課題が示されています。評価項目はプレゼンテーション、会話を続ける対応力、文法・語彙、発音・発声、ホスピタリティです。同じガイドラインでは、筆記結果の通知後、口述へ進む人に受験票を交付すると案内しています。
科目免除は申請条件と年度を確認します
2026年度の施行要領には20種類の免除規定があります。英語などの語学資格、旅行業務取扱管理者、日本史関連の資格、共通テストの対象科目、前年度に合格した筆記科目など、免除できる科目と証明書が異なります。免除は自動ではなく、出願時に申請と証明書類の提出が必要です。免除があっても受験手数料は減額されません。
前年度に筆記科目の合格基準へ達した場合は、2026年度の同じ科目を免除申請できます。外国語の持ち越しは同じ言語に限られ、科目合格の免除は翌年度の受験分に限られます。申請締切後に資格を取得しても、その年度の免除申請を追加することはできません。詳細な対象資格と条件は、受験する年度の施行要領で照合してください。2026年度免除一覧
受験料は言語数と支払方法で総額が変わります
2026年度の受験手数料は1言語14,850円、2言語29,700円です。支払時には事務手数料が加わり、1言語はコンビニ15,200円・カード15,345円、2言語はコンビニ30,248円・カード30,686円でした。免除科目があっても受験料は変わらず、納付後の返金もありません。2026年度施行要領
直近の合格率は年度と言語、分母をそろえて読みます
9月27日時点で最終合格者数が公表されている最新年度は2025年度です。JNTOの表では、受験者数に筆記試験免除者を含めています。
| 言語 |
受験者数 |
最終合格者数 |
最終合格率 |
| 英語 |
3,180人 |
500人 |
15.7% |
| フランス語 |
146人 |
4人 |
2.7% |
| スペイン語 |
118人 |
20人 |
16.9% |
| ドイツ語 |
47人 |
9人 |
19.1% |
| 中国語 |
268人 |
29人 |
10.8% |
| イタリア語 |
55人 |
4人 |
7.3% |
| ポルトガル語 |
34人 |
4人 |
11.8% |
| ロシア語 |
35人 |
0人 |
0.0% |
| 韓国語 |
82人 |
12人 |
14.6% |
| タイ語 |
22人 |
3人 |
13.6% |
| 全言語 |
3,987人 |
585人 |
14.7% |
2025年度の最終合格率は英語15.7%(500/3,180人)、全言語14.7%(585/3,987人)でした。どちらも筆記試験免除者を含む受験者数が分母です。年度・言語で受験者数が違うため、率だけを並べて難しさの順位とは読めません。2025年度受験者・合格者数
口述は「知識を相手に伝える」準備が要ります
2025年度の英語試験に7回目で合格した受験者は、自身の口述試験について、3つのテーマから選んだ題材を短時間で組み立てて説明し、その後に質疑と場面対応の課題が続いたと記録しています。本人は、勉強した地理・歴史と実際に知っていた祭りの様子を組み合わせて説明できたことを振り返っています。これは一人の受験者の経験で、出題内容や準備時間が毎年同じという意味ではありません。受験者の2025年度口述記録
試験の設計から見ると、語学だけを伸ばす計画では5科目の筆記を覆えません。まず免除条件を当年度の要領で確認し、残る科目ごとに基準点を超える準備を組みます。口述では、知識を持っているだけでなく、相手の質問に合わせて外国語で説明・対応する練習が要ります。今回参照した施行要領と試験ガイドラインに標準学習時間の記載は確認できなかったため、ここでは一律の勉強時間を置きません。
確認日:2026年9月27日。2026年度の試験案内・施行要領・ガイドライン・公表済みの2025年度統計を確認しました。2026年度の最終合格率と2027年度の日程は未発表です。