ハングル能力検定(ハン検)の全体像を3分で掴む
ハングル能力検定(通称「ハン検」)は、特定非営利活動法人ハングル能力検定協会が実施する、日本で初めての韓国・朝鮮語検定試験です。協会は1992年10月に設立され、第1回試験は1993年6月に行われました。2026年春季の第65回までの累計は、出願者575,140人・受験者510,007人・合格者317,037人(協会公表。この累計には第18〜25回に実施されていた準1級の分も含まれます)。
級は5級・4級・3級・準2級・2級・1級の6段階です。年2回、春季は6月第1日曜、秋季は11月第2日曜に実施されます。1級だけは1次試験(聞きとり・書きとり+筆記)の合格者に、3週後の日曜日に2次試験(面接)があります。これとは別に、自宅のパソコンで受けるオンライン試験(入門級・IBT5級)が年2回あります。
協会は、ハン検の特徴を「日本語での自然な対訳までを出題範囲とする」点に置いています。韓国政府が実施するTOPIK(韓国語能力試験)が国際標準の試験であるのに対し、ハン検は日本語話者向けに設計されている、という違いです。どちらを受けるかは目的次第で、私は「韓国での進学・就労の要件に使うならTOPIK、国内で学習の到達度を測って積み上げるならハン検」という整理で案内しています。
なお1級の合格者は、全国通訳案内士試験の韓国語筆記試験が免除されます。
2026年に入って変わった点が3つあります。
- 検定料が2026年春季第65回から改定されました(協会の告知は2026年1月。理由として円安・物価高騰による資材運搬費・印刷費・会場使用料・人件費の増加を挙げています)。
- 第65回試験問題から、一部の出題形式と設問が変更されました。ただし各級の「レベルの目安と合格ライン」に変更はなく、既刊の公式テキスト「ペウギ」(5級・4級・3級・準2級)や過去問題集はそのまま使えると協会が明記しています。
- 2026年6月から「ハン検1級マイスター」認定制度が始まりました(後述)。
Step 1: 受験資格・検定料と申込の流れ
受験資格に国籍・年齢・学歴などの制限はありません。
検定料(税込・単願)
| 級 | 検定料 |
|---|---|
| 1級 | 11,000円 |
| 2級 | 8,000円 |
| 準2級 | 6,800円 |
| 3級 | 5,800円 |
| 4級 | 4,800円 |
| 5級 | 4,300円 |
検定料(税込・併願) — 併願できるのは隣接する級の組み合わせだけで、願書1枚で一括して申し込みます。
| 組み合わせ | 検定料 |
|---|---|
| 1級・2級 | 19,000円 |
| 2級・準2級 | 14,800円 |
| 準2級・3級 | 12,600円 |
| 3級・4級 | 10,600円 |
| 4級・5級 | 9,100円 |
申込はオンライン(協会サイト)と郵送の2通りで、受付期間が異なります。第66回(2026年11月8日)の場合、オンラインは8月7日〜10月5日、郵送は8月21日〜9月30日(消印有効)で、いずれも本ページの確認時点で受付中です。締切の差は5日ですが、受付の開始が郵送だけ2週間遅いので、早く動きたいならオンラインです。書店・生協での検定料払込は2022年に終了しています。支払いはクレジットカード・コンビニ・PayPayから選べますが、領収書が出るのはコンビニ払いだけです。
会場は先着で埋まります。 原則として居住地の会場を選びますが、定員に達した会場は締め切られ、希望者が収容数を超えると別会場へ振り分けられます。会場によって受付を早期終了する場合もあります。確定した会場は受験票(圧着ハガキ)で通知されるので、届いたらすぐ開封して確認してください。第66回は10月21日発送予定です。
受ける級によって会場が限られる点にも注意が必要です。 第66回の会場一覧では、全級を実施する会場と、準2級〜5級まで(あるいは2級〜5級まで)しか実施しない会場が混在しています。1級・2級を受けるつもりなら、申し込む前に自分の受験地でその級が実施されるかを確認してください。
団体側の締切は個人と別で、第66回では準会場申請が9月18日、グループ割引が9月25日でした。障がいのある方の受験特別措置の申請枠も用意されています。
オンライン試験(入門級・IBT5級)は完全に別枠です。 上の日程・受付期間とは無関係で、次回は2027年1月17日(日)、受付は2026年12月1日〜2027年1月6日、申込は協会サイトからのみ。検定料は入門級1,500円・IBT5級4,300円・併願5,800円(別途オンライン決済手数料)。常時インターネットに接続されたPCが必要で、スマートフォン・タブレットでは受験できません。 結果は試験終了後すぐに受験履歴ページで確認できますが、入門級は合格カードが発行されません。
Step 2: 出題範囲と合格ラインの急所
全級とも100点満点で、聞きとり40点(30分)+筆記60点という配点です(1級のみ「聞きとり・書きとり」40点)。合格点は級によって2段階に分かれます。
| 級 | 筆記の時間 | 合格点 | 必須得点(これを下回ると総合点が足りていても不合格) |
|---|---|---|---|
| 5級 | 60分 | 60点以上 | なし |
| 4級 | 60分 | 60点以上 | なし |
| 3級 | 60分 | 60点以上 | 聞取12点/筆記24点 |
| 準2級 | 60分 | 70点以上 | 聞取12点/筆記30点 |
| 2級 | 80分 | 70点以上 | 聞取16点/筆記30点 |
| 1級 | 80分 | 70点以上 | 聞取・書取16点/筆記30点 |
この「必須得点」が、ハン検で最も見落とされやすい関門です。 たとえば準2級は、総合で70点を超えていても筆記が29点なら不合格になります。得意な聞きとりで稼いで筆記を薄く済ませる、という戦い方が通りません。
5級・4級には必須得点がありませんが、遅刻などで聞きとり試験を受けられず筆記だけ受験した場合は、初級でも不合格になります。聞きとりと筆記の間に休憩はありません。
解答はマークシート方式です。2級は設問文そのものが韓国・朝鮮語になり、1級はさらに記述式の解答が加わります。出題語彙は協会の『合格トウミ[改訂2版]』が基準で、5級はすべてこのリスト内から出題され、4級〜2級はリスト外からの出題が5%以内に収まる設計です。
1級の2次試験は約15分の面接で、S・A・B・C・Dの5段階評価のうちS・A・Bが合格。面接は原則として東京・大阪・福岡で行われます。2次で不合格または欠席となった場合、次回・次々回のうち一度に限り、所定の手続きと1次免除検定料5,000円の納入で1次試験の免除を受けられます。
