ネイチャーゲームリーダーの成り立ちと背景
「木になってみよう」「鳥の目で世界を見てみよう」——ネイチャーゲームは、自然の中で体と感覚を使いながら、人と自然のつながりを体験的に学ぶ活動だ。ネイチャーゲームリーダーは、そのプログラムを企画・進行できる指導者として認定される資格で、公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会が認定している。
元々は1979年にアメリカのジョセフ・コーネルが開発した「シェアリング・ネイチャー」という自然体験教育プログラムが起源だ。「流れ学習(フローラーニング)」と呼ばれる4段階の理論——熱中させる→感覚を開く→直接体験する→感動をわかちあう——を軸に、参加者が自然への感受性を深める仕掛けが設計されている。日本には1988年に導入され、現在は全国の学校・キャンプ場・自治体・NPOで広く活用されている。
取得方法は通常の試験ではなく、認定養成講座の受講と修了認定だ。2〜3日間の講座を修了するだけで取得できるため、ハードルは低い。
試験で問われる知識体系
ネイチャーゲームリーダーの養成講座では、試験による合否判定ではなく「全日程修了」が認定条件だ。しかし講座の中で習得すべき知識と実践力は明確に体系化されている。
養成講座の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 講座日数 | 2〜3日間(開催機関によって異なる) |
| 受講料 | 20,000〜30,000円程度(開催機関により異なる) |
| 年会費 | 5,890円(日本シェアリングネイチャー協会への登録費) |
| 取得条件 | 養成講座を全日程修了すること |
学習内容の主な柱
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| ネイチャーゲームの哲学 | 「シェアリングネイチャー」の思想・コーネルの4段階フローラーニング |
| アクティビティの体験 | 代表的なゲーム(カモフラージュ・目かくし散歩・共有する自然等)を参加者として体験 |
| ファシリテーション技術 | グループへの説明方法・参加者の気づきを引き出す関わり方 |
| 安全管理 | 野外活動でのリスク管理・緊急時対応の基礎 |
| プログラム立案 | 対象(子ども・大人・混成)に応じたプログラムの組み立て方 |
難易度の実態 — 数字と体感
ネイチャーゲームリーダーは「試験に合格する」タイプの資格ではなく、養成講座の全日程を修了することで認定される。全日程に出席し、アクティビティに積極的に参加すれば、まず認定される。
合格率という概念は存在しないが、リーダーとして実際に活動できるレベルに達するかどうかは別の話だ。「2〜3日間の講座を受けただけ」では、人を動かす指導者としての力はまだ弱い。
| 取得難易度 | ★★☆☆☆(講座修了で取得) |
|---|---|
| 実践力の習得難易度 | ★★★☆☆(自力で企画・実施する経験が必要) |
| 上位資格への道 | 一定の活動実績と指導への貢献が要件 |
上位資格について
| 資格名 | 要件 |
|---|---|
| ネイチャーゲームトレーナー | リーダー資格保有後に一定の指導実績と養成講座への貢献実績が必要 |
| ネイチャーゲームインタープリター | さらに上位の専門指導者資格 |
効率的な学習法
養成講座を最大限に活かすための事前準備と、取得後に力をつけるための実践アプローチを整理する。
| 教材 | おすすめポイント |
|---|---|
| 「シェアリングネイチャー」(ジョセフ・コーネル著、日本シェアリングネイチャー協会) | 活動の思想的な背景・代表的なアクティビティが凝縮された原典。事前に読んでおくと講座の理解が深まる |
| 「ネイチャーゲームガイドブック」(日本シェアリングネイチャー協会) | アクティビティの詳細な説明と進行のコツが載った実践書 |
| 日本シェアリングネイチャー協会の公式サイト | 各地の活動レポートや養成講座の情報を定期的にチェックするのに便利 |
| 地域の協会主催の自然体験イベントへの参加 | 養成講座前に一度参加者として体験しておくと、講座の吸収率が格段に上がる |
養成講座を探す場合は、日本シェアリングネイチャー協会の公式サイトまたは各都道府県のシェアリングネイチャー協会のウェブサイトで近隣の講座を検索できる。年間を通じて全国で開催されているため、比較的参加しやすい。
この資格の先にあるもの
活躍できるシーン
- 学校の環境学習授業・校外活動: 自然体験プログラムの外部講師として学校と契約する事例が多い
- キャンプ場・野外活動施設: 宿泊型プログラムのコンテンツとして人気が高い
- 自治体・NPOの子ども向けイベント: 地域の自然体験活動・環境教育イベントの企画・実施担当として
- 企業の研修プログラム: チームビルディングとして自然の中でのネイチャーゲームを導入する企業が増えている
- フリーランスの自然体験ガイド: 独立して自主企画のプログラムを開催する活動者も多い
取得後は日本シェアリングネイチャー協会への会員登録(年会費5,890円)を行い、活動を続けることで資格が維持される。ネイチャーゲームリーダーとしての活動実績を積み重ねることが、上位資格への道につながっていく。
関連資格
| 資格 | 位置づけ |
|---|---|
| 自然観察指導員(日本自然保護協会) | 自然観察の指導者資格。生物の同定・解説スキルを組み合わせると活動の幅が広がる |
| 森林インストラクター | 森林を舞台にしたより専門的な知識と指導技術を持つ上位資格 |
| 星空案内人(星のソムリエ) | 夜間のネイチャープログラムと組み合わせると強力なコンテンツになる |
| グリーンセイバー資格検定 | 植物の深い知識を身につけることでプログラムの質が上がる |
