SP
資格ペディア

電気通信主任技術者

電気通信主任技術者
建設・土木難易度: ★★★★☆更新日: 2026年4月11日
合格率: 約25〜35%
勉強時間: 約300〜500時間
受験料: 18,700円

スマートフォン・光ファイバー・5Gインフラ——通信が止まれば社会が止まる時代に、そのインフラを技術面で管理・監督する専門家の資格が電気通信主任技術者だ。受験資格は不問ながら合格率は25〜35%。通信業界を目指すなら押さえておきたいこの資格を、受験から合格後の活用まで3つのステップで解説する。

電気通信主任技術者の全体像を3分で掴む

電気通信事業法に基づき、電気通信事業者が設置する通信設備の技術的な管理・監督を担う国家資格だ。通信会社(NTT・KDDI・ソフトバンク等)の事業拠点には、この資格保有者の選任が義務づけられている。資格者がいないと、その拠点での通信サービス提供ができない仕組みだ。

資格の種別 対象設備
伝送交換主任技術者 伝送設備・交換設備・無線設備・線路設備以外
線路主任技術者 線路設備(メタル・光ファイバーケーブル等)

現在の通信ネットワーク構成から、伝送交換主任技術者の需要が圧倒的に高い。実際の求人でも、線路より伝送交換を求めるケースが多い。

試験は年2回・科目合格制

試験は年2回実施(1月・7月)。科目合格の有効期間は3年間。一度に全科目合格を狙わなくても、複数回に分けて取得できる柔軟な仕組みが設けられている。

Step 1: 受験資格と申込の流れ

受験資格

受験制限なし(誰でも受験可能)。ただし試験の難易度が高いため、通信・電子・電気系の知識が前提となる実質的なハードルがある。

科目免除制度

工学系の大学・大学院を修了していたり、他の通信関連資格を保有していると、科目免除が受けられる。

免除条件 免除される科目
電気通信主任技術者養成課程修了 試験全科目
工学系大学院修了 + 電気通信事業実務経験2年 専門的能力
第一級陸上無線技術士・第一級総合無線通信士 伝送交換の無線設備科目等

申込の流れ

  1. 公益財団法人日本データ通信協会のサイトで試験日程を確認
  2. オンラインまたは郵送で受験申請
  3. 受験票受領 → 試験当日
  4. 科目合格・全科目合格で資格証申請 → 交付

Step 2: 出題範囲と攻略の急所

伝送交換主任技術者の試験科目

科目 内容 試験時間
電気通信システム 電気通信設備の基礎理論・システム構成 80分
専門的能力 伝送・交換・データ通信・無線のいずれか選択 80分
電気通信主任技術者規則等 電気通信事業法・関係法令 60分

線路主任技術者の試験科目

科目 内容 試験時間
電気通信システム 上記と共通 80分
専門的能力 線路設備の理論・設備構成 80分
電気通信主任技術者規則等 上記と共通 60分

試験形式はマークシート方式(多肢選択)。各科目6割以上で科目合格、全科目合格で資格取得となる。

科目別の攻略急所

電気通信システム(最難関)

  • 計算問題は公式を整理してパターン化する
  • デシベル(dB)変換、変調方式の計算は頻出
  • 「伝送品質」「冗長化」「バックアップ方式」は必ず押さえる
  • 回線理論・変調方式・ネットワーク構成など幅広い分野から出題される

専門的能力(伝送交換・データ通信推奨)

  • 選択分野はデータ通信か光伝送が実務経験と結びつけやすい
  • IP ネットワーク(OSPF・BGP・MPLS等)の実務知識が活きる

法令(比較的得点しやすい)

  • 電気通信事業法の「登録・届出」「技術基準」「設備管理」に絞る
  • 条文の丸暗記より「なぜその規定があるか」を理解すると定着しやすい

おすすめテキスト:

  • 「電気通信主任技術者試験 全問題解答集」(リックテレコム)
  • 「電気通信主任技術者試験 傾向と対策」(電気通信振興会)

Step 3: 試験当日の注意点と合格後の手続き

試験当日のポイント

  • 科目ごとに別日での受験も可能(科目合格制)
  • 時間配分に注意。電気通信システムは計算問題が混在するため、先に解ける問題を処理して残り時間で計算問題に集中する
  • 法令は条文確認の時間が短いため、事前の整理が重要

合格後の手続き

全科目合格後、日本データ通信協会に資格証の交付申請を行う。交付された資格証を提示して、勤務先の事業拠点で「主任技術者」として選任される形になる。

区分 受験者数(近年) 合格率
伝送交換主任技術者 約5,000〜6,000人 約25〜35%
線路主任技術者 約1,500〜2,000人 約20〜30%

合格者が語るリアルな難易度

電気通信システムが最難関という認識は、受験経験者の間で共通している。出題範囲が広く、計算問題・理論問題が混在するため、実務経験者でも苦労するケースが多い。

第二種電気工事士(合格率約60〜70%)より難しく、第一種電気工事士(合格率約40%)より難しい。通信系国家資格の中では「中〜上位難度」の位置づけだ。

合格後のキャリアは広い。資格保有者への手当は月額5,000〜30,000円と幅が広いが、大手通信会社では選任手当が高く設定されているケースが多い。

職場 活用場面
通信キャリア(NTT・KDDI等) 設備管理部門の主任技術者として必置
通信設備工事会社 ネットワーク工事・保守の技術責任者
データセンター 通信インフラの技術管理
官公庁・自治体 行政通信網の管理技術者

5G・IoT普及で通信インフラの重要性が増す中、電気通信主任技術者の価値は今後も安定して高い。

関連資格として、第一種・第二種工事担任者(通信端末・構内交換設備工事)との組み合わせ、第一級陸上無線技術士(無線設備保守管理)、ネットワークスペシャリスト(IPA)との組み合わせが業界で評価される定番コースになっている。

電気通信主任技術者通信設備国家資格電気通信事業ネットワーク