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CompTIA A+

CompTIA A+
IT・情報難易度: ★★★☆☆更新日: 2026年4月2日
合格率: 約60〜70%(推定)
勉強時間: 約150〜250時間
受験料: 各38,500円(税込)×2試験
公式サイト:CompTIA

CompTIA A+の概要

「なぜこのPCは起動しないのか」——そんな問いに体系的に答えられるスキルを証明するのがCompTIA A+です。米国の非営利団体CompTIA(Computing Technology Industry Association)が提供するベンダー中立のIT基礎資格で、ハードウェア・ネットワーク・OS・トラブルシューティング・セキュリティなど、ITサポート職に必要な幅広い知識とスキルをカバーしています。

世界120万人以上の保有者がおり、米国・欧州を中心にIT職の採用要件に明記されることが多い国際資格です。日本での知名度はまだ高くありませんが、外資系IT企業や英語環境でのキャリアを目指す人が「ポートフォリオに加える最初の一手」として取得するケースが増えています。

Core 1(220-1101)とCore 2(220-1102)の2試験に合格することで認定されます。CompTIA認定資格は3年ごとの更新が必要です(継続教育ポイントの取得またはより上位の試験合格)。

対象者と前提知識

受験資格の制限はありません。CompTIAは「9〜12ヶ月のIT実務経験」を推奨していますが、必須条件ではありません。

向いているのはこんな人たちです:

  • IT未経験から技術職へのキャリアチェンジを目指す人
  • ヘルプデスク・ITサポートとして就職・転職を考えている人
  • 外資系IT企業でのキャリアを見据えているエンジニア
  • 英語でのIT資格を履歴書に加えたい人

注意点として、試験は英語のみです。日本語対応はありません。技術英語に慣れていない場合は英語学習も並行して進める必要があります。前提の技術知識よりも、英語力がハードルになることが多いです。

出題範囲と試験形式

2試験制という特徴的な構造を持っています。どちらか一方だけではCompTIA A+を名乗れません。

Core 1(220-1101)— ハードウェア・ネットワーク・クラウド

項目 内容
試験コード 220-1101
問題数 最大90問
試験時間 90分
合格基準 675点 / 900点満点
受験料 38,500円(税込)
言語 英語のみ
出題ドメイン 出題割合
ハードウェア 25%
ネットワーキング 20%
ハードウェアとネットワークのトラブルシューティング 29%
モバイルデバイス 15%
仮想化とクラウドコンピューティング 11%

Core 2(220-1102)— OS・セキュリティ・ソフトウェア

項目 内容
試験コード 220-1102
問題数 最大90問
試験時間 90分
合格基準 700点 / 900点満点
受験料 38,500円(税込)
言語 英語のみ
出題ドメイン 出題割合
オペレーティングシステム 31%
セキュリティ 25%
ソフトウェアのトラブルシューティング 22%
運用手順 22%

また、試験には多肢選択式に加えて**パフォーマンスベース問題(PBQ)**が含まれます。実際の操作画面を模したシミュレーターで問題を解く形式で、知識だけでなく実践的なスキルが問われます。「知っている」と「できる」の違いを試される問題です。

合格率・難易度の分析

CompTIAは合格率を公開していませんが、海外の情報を総合すると60〜70%程度と推定されます。

同レベルの資格との比較:

資格 合格率(推定) 難易度 言語
CompTIA A+(2試験) 60〜70% ★★★☆☆ 英語のみ
CompTIA Network+ 65〜75% ★★★☆☆ 英語のみ
基本情報技術者試験 40〜50% ★★★☆☆ 日本語
ITパスポート 約50% ★☆☆☆☆ 日本語

日本人受験者にとって最大のハードルは英語力です。技術用語(MAC address、subnet mask、NTFS、BitLockerなど)を英語で読み解く力が必要です。試験範囲自体の難易度は基本情報技術者試験と同等程度ですが、英語が加わる分だけ準備期間は長くなります。

受験料も2試験で合計77,000円(税込)と高額です。1試験ずつ確実に合格する戦略が重要です。

効率的な学習アプローチ

Professor Messerの無料コンテンツを軸に学習するのがコストパフォーマンスの良い方法です。

推奨学習期間

バックグラウンド 期間
IT実務経験者(英語もある程度できる) 2〜3ヶ月
IT実務経験者(英語が苦手) 3〜5ヶ月
IT未経験者 4〜6ヶ月

学習ステップ

  1. 英語力の確認から始める: 試験は英語のみ。専門用語が多いため、技術英語に慣れるところから始める。技術英語は文法より語彙が重要なので、用語集の暗記から入ると効率的
  2. Professor Messerの無料動画コース: 米国定番のCompTIA学習コンテンツ。YouTubeで無料公開されており、Core 1・Core 2の全範囲を網羅。英語だが分かりやすいプレゼンで評判が高い
  3. ハンズオン演習で理解を定着: 古いPCを分解・組み立てしたり、VirtualBoxで仮想マシンを構築するなど実際に手を動かすことで、机上の知識が実践力に変わる
  4. PBQ問題の練習: CompTIA公式の模擬試験やExamLabsでPBQ形式の問題に慣れておく。初見で戸惑わないよう形式に慣れることが重要

おすすめ教材

教材 特徴 費用
Professor Messer(公式サイト) 無料動画コースと有料模擬試験。米国最大のCompTIA学習リソース 動画は無料
「CompTIA A+ Core 1 (220-1101) and Core 2 (220-1102) Exam Cram」(Pearson) 英語テキストの定番。簡潔にまとまっている 約5,000〜7,000円
Udemy「CompTIA A+ Complete Course & Practice Exam」(Mike Chapple) セール時に2,000円以下で購入可能 セール時1,500円〜
ExamTopics 過去問・模擬問題を多数収録した練習サイト(英語) 無料(一部有料)

取得後のスキルマップ

CompTIA A+を取得した後のキャリアパスには、CompTIAの上位資格を目指すルートと、ベンダー資格に移行するルートがあります。

CompTIA認定の上位ルート

資格 専門分野 難易度
CompTIA Network+ ネットワーク専門 ★★★☆☆
CompTIA Security+ セキュリティ専門。米国政府機関の採用要件にもなっている ★★★☆☆
CompTIA CySA+ サイバーセキュリティアナリスト ★★★★☆
CompTIA PenTest+ ペネトレーションテスト ★★★★☆

ベンダー資格との組み合わせ

資格 ベンダー 組み合わせの意味
Microsoft MD-102(Windows環境管理者) Microsoft Windows環境のITサポート職に強い
AWS CLF-C02(クラウドプラクティショナー) Amazon クラウド時代のITサポートへのステップ
Google Professional Cloud Architect Google インフラエンジニアへのステップ

CompTIA A+単体でのキャリアへのインパクトは、日本よりも米国や英語圏で顕著です。外資系IT企業や英語環境でのITサポート職を目指す場合には有効なポートフォリオになります。国内でのキャリアを考えるなら、基本情報技術者試験との組み合わせで「国内でも国際的にも通用する」ポジションを作れます。

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