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ITIL 4 Managing Professional(MP)

ITIL 4 Managing Professional(MP)
コンサルティング・士業難易度: ★★★★☆更新日: 2026年4月11日
合格率: 各モジュール:約60〜70%(推定)
勉強時間: 約200〜350時間(4モジュール+Strategist合計)
受験料: 各モジュール:約60,000〜80,000円程度

ITILを「知っている」人と「使える」人の間には、大きな壁がある。その壁を超えることを証明するのが**ITIL 4 Managing Professional(MP)**だ。

ITIL 4 Foundationが「ITILとは何か」を理解するための入門資格であるのに対し、MPはITILのフレームワークを現場で実装・活用するための「実践者資格」に位置する。PeopleCert(旧AXELOS)が管理するITIL 4の認定体系において、最もよく知られる上位資格だ。IT部門のマネージャー・ITコンサルタント・SIerの上位職が保有することで、「ITサービスの設計〜デリバリー〜継続的改善を実践できる人材」として評価される。

ITIL 4 Managing Professionalの全体像を3分で掴む

MPはFoundationを土台に、5つの試験を通過して認定される複合資格だ。

ITIL 4 認定体系 概要
ITIL 4 Foundation 入門。SVS・SVC・14プラクティスの基礎知識
ITIL 4 Specialist(4モジュール) 実践レベル。各専門領域の深化
ITIL 4 Strategist 上位リーダー向け。戦略的ITサービス管理
Managing Professional(MP) 上記3点(Foundation+4Specialist+Strategist)の取得で認定
Master MPを含む全認定取得後、実務での適用事例評価で認定

前提条件: ITIL 4 Foundationの合格が必須。各SpecialistモジュールはFoundation取得者のみ受験可能だ。

対象者:

  • SIerでSLM(サービスレベル管理)やインシデント管理の仕組みを構築・改善している人
  • ITコンサルタントとしてクライアントのIT組織設計に関わっている人
  • 社内IT部門のITSMプロセス担当・ITSM責任者
  • ITIL Foundationを取得済みで、さらに深く学びたい人

Step 1: 受験資格と申込の流れ

Foundationを取得済みであれば、4つのSpecialistモジュールとStrategistの取得順序は自由だ。5試験全てを取得するとMPが自動認定される。

取得推奨順序(学習効率を考えた場合):

  1. CDS(Create, Deliver and Support) — ITIL実務の基幹。Foundationの知識と最もつながりやすい
  2. DPI(Direct, Plan and Improve) — 継続的改善のフレームワーク
  3. DSV(Drive Stakeholder Value) — 顧客・利害関係者の視点
  4. HVIT(High Velocity IT) — DevOps・アジャイル連携
  5. Strategist(DPI) — 上位資格。DPIの後に受けると学習内容が連続する

各試験の申込はPeopleCert認定テストセンターまたはオンライン監視試験で受けられる。日本では試験は一部英語のみのモジュールもある。

Step 2: 出題範囲と攻略の急所

Managing Professionalは以下の4つのSpecialistモジュール + 1つのStrategistモジュールの計5試験で構成される。

モジュール 略称 主な内容
Create, Deliver and Support CDS ITサービスの設計・デリバリー・サポートの統合管理
Drive Stakeholder Value DSV 顧客・ユーザー・利害関係者のエンゲージメントと価値共創
High Velocity IT HVIT アジャイル・DevOps・クラウドを活用した高速ITデリバリー
Direct, Plan and Improve DPI ITサービス管理の方向性・計画・継続的改善
Strategist: Direct, Plan and Improve ITサービス戦略の方向性設定・組織全体のリーダーシップ

各試験の形式

項目 内容
形式 多肢選択式
問題数 40問(各Specialist)/ 40問(Strategist)
試験時間 90分
合格基準 70%以上(28問以上正解)
言語 英語(一部日本語対応)

Foundation(65%・26問)より合格基準が高く、問題も応用力を問う形式になっている。「ITILを知っている」だけでなく「実務でどう使うか」まで考えないと問題文の意図を読み解きにくい。

Step 3: 試験当日の注意点と合格後の手続き

各試験は独立して受けられる。Specialist試験を1つずつ計画的に進め、全5試験の合格証を揃えるとMPが認定される。

試験当日のポイント:Foundationと異なり、シナリオや実務文脈から「最適なITIL 4の観点」を選ぶ問題が増える。概念の定義を覚えるだけでなく、「この状況ではどのプラクティスのどのフェーズを適用するか」という思考が必要だ。

合格後は、The Open GroupのサイトでMP認定のデジタルバッジが取得できる。

上位資格:

  • ITIL 4 Master — MPを含む全認定取得後、実務での適用事例評価で認定。ITIL認定の最高位

合格者が語るリアルな難易度

公式の合格率は公開されていないが、各モジュールで60〜70%程度と推定されている。

比較資格 難易度 特徴
ITIL 4 Foundation ★★★☆☆ 基礎概念の理解。独学可能
ITIL 4 Specialist(各) ★★★★☆ 応用問題。実務との対応理解が必要
CISSP ★★★★★ セキュリティの最高峰。実務経験必須
PMP ★★★★☆ プロジェクト管理の国際資格

学習方法と費用感:

方法 費用 効果
公認トレーニング(各モジュール) 80,000〜150,000円 高い。試験付きコースが一般的
公式ガイドブック(英語) 各5,000〜8,000円 独学の基本テキスト
模擬試験問題集 各3,000〜5,000円 試験直前対策

5試験全てを公認トレーニングで受けると費用は50〜75万円に達する。会社の研修費用として申請するか、個人では費用対効果を考えて独学を組み合わせるのが現実的だ。

ITIL MPは、IT部門のディレクター・ITサービスマネージャー・CIOへのキャリアパスで評価される。特に欧米系の外資IT企業・コンサルティングファームでは上位管理職の選考基準に入ることがあり、PMP・AWS/Azureクラウド資格・CISSPとの組み合わせで「ITサービスを設計から運用まで一貫して扱える」プロフェッショナルとして差別化できる。

参考文献・出典

ITILITIL4Managing ProfessionalITサービスマネジメントITSM